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彼女はいつものように、左側の1番隅の二人席に座った。
すぐ横に窓があって、その窓から彼女が乗ってきた大きなバイクが見れる。
バイクを見ながら、自家製のフルーツジュースと日替わりケーキを食べるのがいつものパターンだ。
「ご来店ありがとうございます。いつものセットでよろしいでしょうか?」
お冷とおしぼりをテーブルに置きながら聞くと、彼女は窓の外を見ながら頷いた。
「かしこまりました。少々おまちください」
常連客といっても、彼女と親しく話したことはない。
彼女はいつもムスッとしていて喋らないし、喋ったとしても
「はい」
とか
「結構です」
とか、一言で終わってしまう。
綺麗な顔立ちなんだから、愛想良くすればモテモテだろうに……と心の中でいつも思う。
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