第2章 ハプニング

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雨が地に叩きつける音の中、存在感のある……格好良く、響く音。 振り返るとまだ遠くの方にだが、店まで向かう真っ直ぐな細道を、泥を飛ばしながらこちらに向かって走ってくる真っ黒なモノが見えた。 「お客さん!?」 あれは間違いない。 いつも大きな真っ黒いバイクに乗ってくる、あの美人な常連客だ。 そう確信すると、俺は今にも閉まりそうだったドアを全開にまで開けた。 彼女の位置からここまであと50mくらい。 俺は自分が濡れるのも気にせず外に出て、 「大丈夫ですか!」 と彼女に向かって叫んだ。 豪雨とバイクの音で、僕の声が聴こえたのかは分からない。 「早く中へ!」 腕を大きく振ってジェスチャーする。 伝わったのか、彼女は入口の真ん前にバイクを停めて駆け足で店の中に入った。 俺も続いて店の中に入り、ドアの鍵を閉めた。
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