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「この人…
本当に俺の小説を読んでくれてるんだろうか…」
そんな疑問が、頭をもたげた。
俺は…
何とは無しに、改めて『星の砂』の投稿作品を覗いてみた。
作品は、一作品のみで
タイトルは【私の家族】というエッセイだった。
恐らく、タイトルからして、『星の砂』が自分の家族の事を綴ったエッセイ集なんだろう…。
「うーん、タイトルも地味だし、全然、読む気がせんなぁ…」
俺は、「ま、良いか」
と『星の砂』のコメント掲示板に適当な世間話を書き込んでお茶を濁した。
しかし、それに対して『星の砂』からは、いつもながらの感謝の言葉に溢れまくった書き込みが返って来た。
それから…
『星の砂』は、毎日のように俺のコメント掲示板に書き込みをしてくれ、俺の作品もレビューしてくれ、
俺も『星の砂』に当たり障りの無いお礼の返事をした。
『星の砂』は、俺の投稿作品全てを読んでくれて、それぞれにレビューもしてくれたのだが、
そのどれもが
『元気をもらった』
『勇気をもらった』
『感動した』
といった風に、俺から見るとちょっとズレた感じのレビューばかりであった。
そして、その一方で…
相変わらず、俺の投稿作品は、
『星の砂』以外の他の登録クリエイターからは、
レビューもファン登録も、全くされなかった。
「全く!
俺の作品は『星の砂』以外、誰も読みに来てくれないのかよ!
へっ!どうぜ、他のヤツラは自分の作品が最高だと思って、自分の作品以外は興味が無い『井戸の中のカワズ』なんだろうなっ!(正確には『井の中の蛙』だな…)」
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