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さて。
そんなある晩の事。
いつもの様に…
『星の砂』から書き込みが有ったのだが…
その内容は、いつもと違っていた。
【星の砂】
『こんばんは。キングさん!実は、私…仕事で失敗しちゃってクビになって、就職活動でしばらくサイトにログインできなくなっちゃいました。ごめんなさい…』
「…え?」
俺は、ちょっと驚いた。
そういや、『星の砂』ってOLさんだったっけ…。
(俺は、学生だけど)
『そうなんすか!就職活動頑張って下さいね!』
【星の砂】
『わぁ!ありがとうございます!キングさんの励ましで頑張れるような気がします!必ずサイトに戻って来ますね!本当にありがとうございます!』
と…
その書き込みを最後に、
『星の砂』が、俺のプロフィール・ページに来る事は、無くなった。
俺は、『星の砂』が来なくなった事に別段、何も感じずに、新作小説をせっせと書き、完成する度にアップする日々を送った。
しかし…
相変わらず、
ファン登録の数もレビューの数も伸びなかった…。
そうして…
二週間ほど経った、ある晩の事…。
俺は…
たまらなく、虚しい気持ちになった。
何か…
心の中に、ぽっかり『穴』が空いてしまった様な、
酷く虚しくて、寂しい気持ち…。
と…
不意に…
あの…
『星の砂』の存在が…
急に、大きく思えてきた…。
いつも、俺のプロフィール・ページに来てくれて、小説を読んでくれて明るくて優しい書き込みをしてくれた『星の砂』さん!!
今更になって俺は!
彼女の存在が!
本当に、かけがえの無い、有り難いものだった事を心の底から実感した!
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