【私はキング】

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{3} さて。 そんなある晩の事。 いつもの様に… 『星の砂』から書き込みが有ったのだが… その内容は、いつもと違っていた。 【星の砂】 『こんばんは。キングさん!実は、私…仕事で失敗しちゃってクビになって、就職活動でしばらくサイトにログインできなくなっちゃいました。ごめんなさい…』 「…え?」 俺は、ちょっと驚いた。 そういや、『星の砂』ってOLさんだったっけ…。 (俺は、学生だけど) 『そうなんすか!就職活動頑張って下さいね!』 【星の砂】 『わぁ!ありがとうございます!キングさんの励ましで頑張れるような気がします!必ずサイトに戻って来ますね!本当にありがとうございます!』 と… その書き込みを最後に、 『星の砂』が、俺のプロフィール・ページに来る事は、無くなった。 俺は、『星の砂』が来なくなった事に別段、何も感じずに、新作小説をせっせと書き、完成する度にアップする日々を送った。 しかし… 相変わらず、 ファン登録の数もレビューの数も伸びなかった…。 そうして… 二週間ほど経った、ある晩の事…。 俺は… たまらなく、虚しい気持ちになった。 何か… 心の中に、ぽっかり『穴』が空いてしまった様な、 酷く虚しくて、寂しい気持ち…。 と… 不意に… あの… 『星の砂』の存在が… 急に、大きく思えてきた…。 いつも、俺のプロフィール・ページに来てくれて、小説を読んでくれて明るくて優しい書き込みをしてくれた『星の砂』さん!! 今更になって俺は! 彼女の存在が! 本当に、かけがえの無い、有り難いものだった事を心の底から実感した!
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