陰口小五郎とは

4/4
前へ
/33ページ
次へ
あるとき、新宿御苑の警察署から所長が直々にきて「新宿御苑美術館にある有名な日本画をすべてもらう」と快人二十面相から予告状がきたため是非この難儀を解決してくれというお願いがあった。 「それで賊はいつ盗みを実行するのですか」と笑いを必死にこらえた陰口小五郎が所長に尋ねた。 何を隠そう。本職が大泥棒であり、日本画を守る探偵のフリをしているのは陰口小五郎本人だからだ。 相手をしって己をしれば百戦危なからずといっいたようにどちらのやり方をしっていればいかなる人数の警護の警官がいてもたしたことはない。これは陰口小五郎の手の込んだゲームだった。 資産はふんだんにあるからカネはどうでもいいことだった。 謎の下痢事件のあと結束がつよくなり、大林少年を筆頭に少年団が作られた。 しかしながら。大林少年から逐一情報を受けている陰口小五郎によって、少年団の作戦は次々とつぶされていった。大林少年と仲間たちはそんなことも露知らず、「あの泥棒はどこにいても我々のこと見ているに違いない」といい大変恐れた。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加