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快人二十面相が予告した昭和三十五年三月二十三日の丑三つ時が近づいてきた。新宿御苑警察署おろか警視庁までのりだし、万全の態勢をとっていた。三月二十二日の昼間に新宿御苑美術館に出入りする作業服をきてうろちょろする輩が複数いて日本画を見て、写真を撮っていた。
エフ警官が職務質問をすると現在新宿御苑美術館は休みのためこのさいに改修をおこなうことだった。警官はそのような話しは聞いていなかったため、おかしいと思い追及したが身分証明書と作業の工程を示す証拠をみせられたため、作業員を解放した。
このときに自分以外の警官が拉致され、偽の警官がこのとき入れ替わっているなどとエフ警官は夢にも思っていない。もともと寄せ集めの警備の警官たちは今日はじめてあうため、顔が異なっていても分からないのだ。
こうしてエフ警官以外の本当の警官たちは手足を縛られ、口に布をいれられ、身動きが取れないようにされ、それぞれがトイレの掃除器具をいれる狭いロッカーに放り込まれていた。
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