大泥棒の盗み

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「そいつらは快人二十面相の仲間に違いありませんね」と陰口小五郎が神妙な顔で述べた。 同日に彼の住む洋館の巨大な地下室に新宿御苑美術館の日本画がコレクションとして加わった。 このことは、大林少年は全くしらない。深夜にランプの灯をともしながら盗んだ日本画をみて不気味な笑みを浮かべる陰口小五郎がいた。 「あの所長の間抜け面と陳腐な考え、良く所長でいられるものだ、幼稚園児なみじゃないか」と思わず独り言がでた。 大林少年も自分の信じる師匠が大泥棒の快人二十面相とは夢にも思わないだろうにとそう思うと大変愉快だと一人で悦に入っていた。
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