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第1話 私、美味しいですよ?
広大な草原が広がるのどかな風景。
地面むき出しの道路には轍が刻まれでこぼこしている。
そこに王都へ向かう荷馬車がのんびりと走っていた。
荷台には色とりどりの野菜や果物。
木製の檻の中には私がいる。
路面の石に車輪が乗り上げ、がたんと突き上げた。
荷台の上で木製の檻が飛び跳ねた。
「ピキィー(痛い)!」
檻の中で羽ばたいて見たけれど無駄なあがきだった。
檻に身体が激突して、広げた羽から3枚の羽根が抜け落ちた。
私は思う。
どうせ人間に食われる運命ならば、あきらめよう。
でも痛いのは嫌。
できるだけ痛くないようにしてほしいと。
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