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理由は一つ。本当なら休みで会えないはずの村瀬先生と理由はどうであれ、クリスマスイブにこうやって一緒の時間を過ごせているという事。
29歳の先生は身長こそ180後半くらいあるけど、顔は特にイケメンというわけではない。優しい性格が滲み出ているようなホワッとした薄い顔をしていて、笑うと目が線のように細くなる。そこがまた可愛くてキュンとしてしまう。
学生時代はその高い身長を存分に活かし、バスケで県の選抜メンバーとして国体にも出場したそうで、今でも体育教師をしながらバスケ部の顧問をしている。
最初は別に何とも思っていなかったんだけど、先生のその男子女子関係なく平等に優しく接する姿や、常に私達生徒に一生懸命な姿を見ているうちに、いつの間にか惹かれていた。叶わない恋と分かっていながらも……
下の名前は誠といい、私のイニシャルと先生のイニシャルが一緒の【M.M】だと知った時は、本当に些細な偶然なんだけど嬉しかった。
「よし。じゃあこれにて補習のテストは終わり! 2人とも気を付けて帰るんだぞ」
先生が答案用紙を片手に教室から出て行く。
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