師走のクリスマス

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師走のクリスマス

 キーンコーンカーンコーン  キーンコーンカーンコーン  チャイムが鳴るのと同時に顔を上げる。 「はい。そこまで。答案用紙回収するぞー」  先生が黒板の横にある丸時計に目を向けたあと、私ともう1人の男子生徒の答案用紙をサッと集めた。  時刻は十二時を指している。  今日は師走(しわす)の二十四日……。なんだろう『師走』と『シラス』って似てるなぁ。と、どうでもいいことは置いといて。  つまり何が言いたいかというと、今日は世間で言うところの『クリスマスイブ』というやつなのだ。街は手を繋ぐカップルやクリスマスプレゼントに胸を踊らせる子供達で賑わっている。  だが、当の私はというと……教室で補習のテストを受けている始末。  大学受験を控える身でありながら、期末テストでは赤点のオンパレード。本当に笑えない冗談だよ。  そんな状況だから補習のテストを受けているのも私、水嶋美奈(みずしまみな)とクラスメイトの松田雅人(まつだまさと)だけだった。  そんな辛い補習だったけど、実はそんなに嫌ではなかった。     
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