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トメィトゥ湖のほとりで
美しき銀色のトメィトゥ湖のほとり。
お姫様トメィトゥが泣き崩れて過ごしております。
真っ赤な装飾フリルのついた美しいドレスが涙で濡れております。
嘆きの理由は、たった一つだけでございます。
両親の反対により恋い焦がれる王子様と突然会えなくなってしまいました。
「トメィトゥ姫よ、よくお聞き。
彼は気に入らない。
ガーリック王子は匂う」
「そぉですわ。
あなたにはいくらでも相応しい方がいますわ。
トメィトゥ姫、よく考えてごらんなさいませ」
匂うガーリック王子よりも相応しいお相手とは?
幼なじみのオニオン麿。
ソルト王子、醤油太閤、味噌殿下。
ウスターソース公爵。
ナンプラー5世。
数え上げればキリがないと説得される悲劇の姫。
トメィトゥ姫は真っ赤な美しいドレス姿で静々とたちあがりました。
反対されるのであれば仕方がない。
いざ決断のとき―
赤い涙を流しながらトメィトゥ姫はドレスを翻して湖に身投げをされました。
重なる波紋と絶えることのない水飛沫。
銀色の湖面が幾重にもユラユラと揺れております。
知らせを聞いたガーリック王子も湖へ飛び込みます。
負けじとオニオン麿、ソルト王子も続きます。
キャロッツ・アメリーゼ王子も現れました。
しばらくすると湖底の奥からじょじょに湖水温が高くなり始めました。
煮え立つ銀色の湖のほとり。
噴火したフライパン山から溶けた溶岩のかたまりが流れ込みます。
トメィトゥ湖に静寂のときが訪れました。
沸々と泡立つ湖面。
美しいトメィトゥ姫が微笑んで現れました。
「皆様の力をお借りして再び返り咲きました、ありがとう」
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