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 さっき抱きしめられた時の、叔母と同じ香りがして「私もいい香りになるんだ」と思えるととても嬉しくなった。  その日のお風呂は忘れられない。  久しぶりに入ったお風呂はとても温かくて気持ちがよくて。  寂しくて哀しくて泣きたいのに泣けなくて、そんな日々を過ごして来た私の冷え切った心の中までポカポカに温めてくれたようだった。  浴室中に充満していた花の香りがとても心地よくて、まるでゴミ箱に捨てられてしまった人形のようだった自分が人間として生き返った時間のように思えた。  あの時、キッチンの床の上に寝ころんで、冷蔵庫の下にどんどん埃が溜まっていくのを見ながら、ああ、私もきっと埃まみれになって姿も見えなくなってしまうんだ……そう思っていたのに……。  ちゃんと生き返ることが出来たんだ。
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