第1章 夫婦のルール

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相手に恋していなくても、キスってできるもんなんだな。 新宿のラブホテルの一室で、俺は新たな自分を発見していた。 ここまでどうやって歩いてきたのか、ほとんど覚えていない。 ただしっかりと腕を絡めて、金曜夜の雑踏を縫うように歩いていたら、砂漠のオアシスのようにホテル街が現れた。そんな感じだった。 シャワーも浴びず、もつれるようにベッドに倒れこむ。 軽いキスで済ませてさっさと事に及ぶつもりが、塚越から唇をこじ開けて舌を差し入れられ、口の中をかき回されて、頭がぼーっとしてきた。 麻薬を吸っているようなこの感覚。 恋に落ちているわけじゃないのに――――。 長いこと俺を惑わし続けた巨乳に手を伸ばす。 薄いニット越しにいきなり強く揉むと、塚越は「はぁっ…」と早くも溜息混じりの声を上げた。 たまらない気持ちになってニットの下から手を差し入れると、それだけでさらに声を上げる。感度がいいのだろう。 未散のそれとはまた違った感触のおっぱいをひたすら揉んでいると、塚越がズボンのベルトに手を伸ばしてきた。 かちゃかちゃと外されてゆく金属音が部屋に響く。 なんて積極的なのだろう。
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