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「でも、俺だっておまえほどじゃないけどデリケートなとこあるからさ」
紘央も、切々と語った。
「おまえのちょっとした言動で傷ついてできなくなったりもするんだよ」
「うん」
「あと、……自分のことが嫌でできなかったり、自信が持てなくて勃たなかったりとかもあってさ」
「うん」
「レスになればなるほどきっかけつかめなくなったりして。おまえに淋しい思いさせてたなんて、ほんとごめん、それは」
電話の方が、お互い素直に話せるのかな。ヘアピンを指先ではじきながら思った。
「うん。気持ちはわかった。……でも、たりないの」
「……」
「わたしね、言わなかったけど、前のあの会社で、ビッチって言われたんだ」
「ビッ……」
「それは濡れ衣だったんだけど、っていうか至……小此木さんと仲いいのを妬まれただけなんだけどね。でも本質的には間違ってないって思った。わたしね、淫乱だよ、たぶん」
「……なに言ってんの」
「毎日でもセックスしたいの。わたしを愛してくれるひとと、いっぱいしたい」
「……」
「だからやっぱり、デリケートなあなたの妻は務まらない。結婚式で『誓います』なんて言えない」
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