5384人が本棚に入れています
本棚に追加
「あっ……ああっ」
避妊具を使わずに深町さんとするのは、初めてだった。
紘央とだって、一回しかない。
感覚が……生だった。
湯しぶきを立てて、深町さんはわたしを突き上げる。
その鼻筋に細かい汗の粒が浮かんでいて、わたしはそれすら愛しく思う。
さっきあんなに激しく本能のままに抱かれたばかりなのに、わたしの身体はまた全力で深町さんを受け入れる。
好き。
好き。
好き――。
「未散」
ああ、その声も愛してる。
わたしの中でまた快楽がせり上がり、大きな渦になってはじける。
紘央のことを考えないように、わたしは行為に没頭した。
おそろいのガウンでベッドに横たわり、1ミリの隙間もなく抱きあった。
身体の奥にまだ、熱い余韻が残っている。
紘央からは、連絡はない。
もう、本当に終わりなのかもしれない。
「ごめんね」
ぼそりと深町さんが言った。
「え?」
「……いや、逃げ場のない場所で、生でしちゃって」
「ああ」
わたしは小さく笑った。
「それに……さっき激しくしすぎちゃったかもって思ったから、次はやさしくするつもりだったのに」
照れながらそんなことを言われて、また身体の奥がじんと反応してしまう。
最初のコメントを投稿しよう!