ようこそヴァージンたち

1/47
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/47ページ

ようこそヴァージンたち

 ーー三十歳まで童貞を貫くと魔法使いになれる。  ひと昔前、そんな都市伝説がネット上で流れていた。  あくまで都市伝説に過ぎなかったのだが、魔法の存在がある日を境に天才科学者によって証明され、その後、魔法使いという職業が徐々に普及し始めていった。  ある者は天気を操り災害を抑える。  ある者は魔法を利用し、とても偉い人の警護を務める。  そして、ある者は魔法を使い戦争の兵器となる......  そんな職業が当たり前になってきた。  しかし世間一般、魔法使いになることはあまり良い印象を持たれていない。  理由は魔法使いになる条件。  これがなかなか凄まじいというか、ぶっとんだ条件だからである。  この俺、藤嶋暢(ふじしまとおる)は今日から国立東京魔法高校に通うことになった。  この高校では魔法使いになる資質を持つ者、魔法使いになりたいものが入学する。  しかし、毎年の卒業率は五十%以下らしい。  俺は魔法高校行きのバスに乗った。  このバスの運転手も魔法使いで、魔力を使って操縦しているらしい。  なんでも、電気もガソリンもかからないエコなバスだそうだ。  バスの中にはたくさんの魔法高校の生徒が乗っていた。     
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!