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ようこそヴァージンたち
ーー三十歳まで童貞を貫くと魔法使いになれる。
ひと昔前、そんな都市伝説がネット上で流れていた。
あくまで都市伝説に過ぎなかったのだが、魔法の存在がある日を境に天才科学者によって証明され、その後、魔法使いという職業が徐々に普及し始めていった。
ある者は天気を操り災害を抑える。
ある者は魔法を利用し、とても偉い人の警護を務める。
そして、ある者は魔法を使い戦争の兵器となる......
そんな職業が当たり前になってきた。
しかし世間一般、魔法使いになることはあまり良い印象を持たれていない。
理由は魔法使いになる条件。
これがなかなか凄まじいというか、ぶっとんだ条件だからである。
この俺、藤嶋暢(ふじしまとおる)は今日から国立東京魔法高校に通うことになった。
この高校では魔法使いになる資質を持つ者、魔法使いになりたいものが入学する。
しかし、毎年の卒業率は五十%以下らしい。
俺は魔法高校行きのバスに乗った。
このバスの運転手も魔法使いで、魔力を使って操縦しているらしい。
なんでも、電気もガソリンもかからないエコなバスだそうだ。
バスの中にはたくさんの魔法高校の生徒が乗っていた。
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