課長と初デート。

3/19
前へ
/163ページ
次へ
 お互い恥ずかしいのか沈黙が続いた。 恥ずかしさと自分の発言に顔から火が出そうだった。 「アハハッ…初々しいねぇ~」  からかうように店長は、料理をテーブルに置くと行ってしまう。  そうしたら課長は、少し照れながら 「松井。今度、映画でも観に行かないか? 映画好きだと言ってたし…」と言ってくれた。 「は、はい。ぜひ……一緒に」 「なら、今度の日曜日にでも お薦めの映画を考えておいてくれ」  私は、嬉しくなり頷いた。嬉しい。 またお誘いがあった。しかも今度は、食事ではなくデートだ。  その後。私と課長は、連絡先を交換した。 何かあったら連絡が出来るように 「課長は、ガラケーなんですね?」 「あぁ、どうもスマホにするには、勇気がいってな。 まぁ、その内にスマホにするだろう」 「アハハッ…ぜひそうして下さい」 笑顔でそう返した。 何だか前より課長との距離が縮んだ気がした。  それに少しずつ自覚する自分の気持ちに 戸惑いながらも嬉しくなっていた。  今度の時は、また新しい発見が出来るだろうか? 課長の素顔が見てみたい。  私と課長は、それからメールのやり取りをするようになった。  話題は、たわいのない事だけど 顔が見えないせいかお互い話が進んだ。  そこでも課長の意外な素顔や新しい発見をする。 『課長。今何をしているんですか? 私は、今日借りてきたDVDを観ています』 『今さっきまで、ジョギングをして来て 汗をかいたからシャワーを浴びていた』
/163ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5055人が本棚に入れています
本棚に追加