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お互い恥ずかしいのか沈黙が続いた。
恥ずかしさと自分の発言に顔から火が出そうだった。
「アハハッ…初々しいねぇ~」
からかうように店長は、料理をテーブルに置くと行ってしまう。
そうしたら課長は、少し照れながら
「松井。今度、映画でも観に行かないか?
映画好きだと言ってたし…」と言ってくれた。
「は、はい。ぜひ……一緒に」
「なら、今度の日曜日にでも
お薦めの映画を考えておいてくれ」
私は、嬉しくなり頷いた。嬉しい。
またお誘いがあった。しかも今度は、食事ではなくデートだ。
その後。私と課長は、連絡先を交換した。
何かあったら連絡が出来るように
「課長は、ガラケーなんですね?」
「あぁ、どうもスマホにするには、勇気がいってな。
まぁ、その内にスマホにするだろう」
「アハハッ…ぜひそうして下さい」
笑顔でそう返した。
何だか前より課長との距離が縮んだ気がした。
それに少しずつ自覚する自分の気持ちに
戸惑いながらも嬉しくなっていた。
今度の時は、また新しい発見が出来るだろうか?
課長の素顔が見てみたい。
私と課長は、それからメールのやり取りをするようになった。
話題は、たわいのない事だけど
顔が見えないせいかお互い話が進んだ。
そこでも課長の意外な素顔や新しい発見をする。
『課長。今何をしているんですか?
私は、今日借りてきたDVDを観ています』
『今さっきまで、ジョギングをして来て
汗をかいたからシャワーを浴びていた』
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