悪い噂。

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メールを何度も確認する。  同じ事しか書いていないけど……何度も泣きたくなるぐらいに嬉しかった。  課長の優しさが私の心の中に染み渡る。 きっと言うのに抵抗があったかも知れない。  周りに交際宣言をするなんて男性にとったら恥ずかしい事だろう。  でも、私のために言ってくれたんだ。 涙がスマホに付いてしまった。  自宅のアパートに着いた頃に課長からメールが2件来ていた。 『具合は、どうだ? 多分、玉田からの連絡で聞いているかも知れないが  今回の揉め事は、俺が全て叱り飛ばして解決させておいたから 余計な事をしたかも知れないが許してくれ。  今日来れそうなら家に来てくれるか? 何か美味しい物でも作って待っている』  そう書いてあった。 課長……。 余計な事だなんて思わない。  だって、課長の優しさをちゃんと知っているから  私は、自宅のアパートに着くと疲れた精神を癒やすためベッドに向かった。  精神的にボロボロだけど課長と美奈子のお陰で救われた。 感謝しても仕切れないほどに……。  布団の中に潜るとそのまま眠りについた。 心の中は、何だかポカポカと温かい。  その夜。涙の跡をファンデーションで隠し課長の自宅に向かった。  課長のマンションは、このあいだ行った時に覚えた。 もう帰って来ただろうか?  恐る恐るインターホンを鳴らそうかと迷っていると 「松井」と課長が姿を現した。  どうやら今仕事が終わり自宅に着いたばかりのようだ。 手には、買い物袋を持っていた。 「あ、あの…今日は、申し訳ありませんでした!!」  どうしたらいいか分からず取りあえず頭を下げて謝罪をした。 迷惑をかけたばかりだし 「何故お前が謝るんだ…? それより大丈夫か?落ち込んでないか?」 「はい。眠ったら少しは落ち着きました。  それに、課長のメールに励まされて嬉しかったです。 ありがとうございます」 「俺は、当たり前の事しかしていない。 様子がおかしいとは、思っていたが早く気づいてやれなくて悪かったな」  課長は、申し訳なさそうに謝ってきた。 私は、慌てる。逆に謝らせてしまったから 「いえ……とんでもありません。凄く嬉しかったです」
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