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しばらくして課長が帰宅した。
ガチャッとドアが開くと汗をかいていて息を切らしていた。
「松井……もう起きていたのか?体調は、どうだ?」
「おはようございます。はい。なんとか……」
「そうか……汗をかいたからシャワーを浴びてくる」
恥ずかしくなりながらも返事をすると
課長は、シャワーを浴びに行ってしまった。
お互いに照れてしまう。
シャワーを浴びている間に朝食を作り終わらせ一緒に食べた。
「それで今日は、どうする?昨日の今日だ。
無理して会社に行く事もない。有休を使うか?」
確かに昨日の今日で会社に行くのは辛い。
昨日の辛さを思い出すと悲しくて仕方がない。
でも……このままじゃダメだ。
私には、何もやましい事はないのだから堂々としていないと。
支えてくれた課長や美奈子に悪いわ。
私は、真っ直ぐと前を見る。
「もう大丈夫です。会社に行きます!」
「無理しなくてもいいんだぞ?」
「いいえ。課長が庇ってくれたので、もう大丈夫です!」
ニコッと微笑んだ。私は、会社で1人じゃない。
美奈子も居るし、課長の隣に並んでも恥じない女になりたい。
だから、ちゃんと会社で実績を上げて認められる存在になりたい。
「……そうか。お前は、強いな」
「はい。課長の彼女ですから」
だから負けたくない。
私は、先に出勤をして自分の部署に向かった。
美奈子には、お礼のメールと今日会社に行くと伝えておいた。
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