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部署に入ると周りの女性社員は、一瞬驚いたような顔をしてきてよそよそしくなる。
嫌がらせは、ピタリと止まっていた。
その後も陰口を言っている人は、まだ居るが直接被害が無いので無視した。
これも課長が、ビシッと叱り飛ばしてくれたお陰だろう。
課長と美奈子には、本当に感謝してもしきれないぐらいだ!
そんな中。私は、変わらずに給湯室でお茶の準備をしていた。
すると八神さんに声をかけられた。
「松井さん」
「八神さん……」
一瞬動揺する。また、こんな所を見られたら
勘違いをされるかも知れないと思ったからだ。
つい周りをキョロキョロと確認をしてしまう。
「つい最近まで出張で会社に居なかったんだ。
話は、聞いたよ……ごめん。俺のせいで」
申し訳なさそうに謝られる。出張なら知らなくても当然だ。
それに八神さんが、した訳じゃ無いんだし
この人が悪い訳じゃない。謝る必要なんて無いのに……。
「気になさらないで下さい。もうお陰様で解決しましたし」
「だけど……」
「それに、この事がきっかけで再確認させられました。
私、やっぱり課長が好きなんだって、あの人のお陰で勇気を貰えた。
だから、私もきちんと課長と向き合いたいです!
だから、すみません」
ニコッと微笑むと頭を下げて給湯室から出て行く。
課長の顔が頭から離れない。
愛おしくて堪らない。もしかしたら八神さんは、
まだ納得してくれないかも知れない。
だけど……この気持ちは、変わらない。
いつか分かってもらえるように私は、ブレないと決めたのだ!
それから私と課長の交際は、何事もなく順調に進んでいた。
食事だけじゃなく日にちを合わせて一緒に出かけたり泊まりに行く回数も増えて行く。
最近では、課長が通っていると言うスポーツジムにも
参加するようになった。
これは、運動音痴の私には、ついて行くのが
大変だったが体力をつけるのに最適でダイエットにもなる。それに……。
「えっ?この企画を私に!?」
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