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「あ、いや…別に強制じゃない。
嫌なら断ってくれてもいいから」
「いえ、ぜひご一緒させて下さい!」
思わず口から出てしまった。自分でもびっくりだ!
だが、せっかく誘ってくれたのに断るなんて
私の中では、考えられなかった。
「良かった。なら…そうだな。
仕事が終わったら駅のそばにある喫茶店で
待っててくれ。すぐに行くから。
それとこの前の企画書は、上手く出来ていたぞ」
「ありがとうございます」
私は、頭を下げるとそのまま戻った。不思議だ。
何だかスキップしたくなるぐらい嬉しい。
少し前なら恐怖だったし、説教でも言われるんじゃないかって
ビクビクしてたはずなのに……。
その気持ちは、顔にも出ていたようで美奈子が
私の顔を見て「どうしたの?
何だか機嫌がいいみたいだけど?」と言ってきた。
「えっ?そう…気のせいじゃない?」
「怪しいわねぇ~教えなさいよ?」
「何でも無いわよ~ほら
仕事をさっさと始めちゃおう」
そんなに顔に出ているかしら?
でも、こうはしていられない。時間までに終わらせなくちゃあ……。
急いでパソコンのキーボードを打ちやりかけの
企画書を作成させた。
そして何とか仕事を無事に定時までに終わらせると
駅の近くの喫茶店に向かった。
ここは、駅の行き帰り人や利用者も多い。
コーヒーを頼み課長の来るのを待つことにする。
「課長まだかなぁ……忙しい人だし」
何だか心臓が高鳴って落ち着かない。
キョロキョロと周りを見るとまだ我が社の人は、
居ないようだ。 良かった…。
もし一緒に居る所を見られたら困惑してしまうもの。
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