頑張った人には、ご褒美を。

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 木南先生と山本さんの空間を邪魔してはいけないと思い、2人には近づかず、離れたところから様子を見ていると、蓮くんのケアを終えた看護師さんたちが、蓮くんを乗せたストレッチャーを押しながら、蓮くんの病室から出てきた。  蓮くんに抱き着き、涙を流す蓮くんのお母さん。そんな蓮くんのお母さんの肩を抱きながら、『オレたちにはまだ、しなければいけない事があるだろう?』と蓮くんのお父さんが宥める。  これから蓮くんは病院の地下にある霊安室に運ばれる。安置出来る時間は2時間程。遺族はその間に、葬儀場に連絡をして蓮くんを家に移動させる準備、親類や友人への報告、蓮くんが使っていた病室の荷物の撤収などをしなければならない。  辛いのに、悲しいのに、そんな感情に浸っている時間がない。  蓮くんのお母さんは、蓮くんのお父さんに寄りかかりながら、蓮くんの病室へ荷物を纏めに戻って行き、木南先生は蓮くんと一緒に霊安室へ向かって行った。  平沢先生に軽く頭を下げ、木南先生の後を追う。 
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