2013人が本棚に入れています
本棚に追加
/218ページ
「ありがとうございます。確かに受け取りました」
明日からは使い捨ての容器にしよう。
2時間程度の残業をしてから、自宅マンションから近い100円ショップで使い捨ての容器を調達してから帰宅した。
「ただいま戻りました」
玄関先でそういうも返事がない。
すると、僅かに山崎さんの居室から話し声が聞こえた。
どうやら山崎さんは誰かと通話しているらしい。携帯電話は解約しているからラップトップパソコンを貸し出している。外部との連絡はパソコンのコミュニケーションアプリで行っているのだろう。
今日は報告すべきことがあるのだが、致し方ない。先に入浴を済ませることにした。
「帰ってたのか」
濡れた髪をタオルで拭きながらダイニングへ戻ると、ソファに山崎さんが座ってこちらを見た。どうやらテレビを見ていたらしい。
「はい、少し前に」
「そうか。おつかれ。飲むか?」
そう言って缶酎ハイを持ち上げて見せた。
「飲みましょう。今日は些か気分が高揚しているので」
「お? ということは作戦成功したのか」
私が冷蔵庫からもう1本缶酎ハイを取り出すと、山崎さんはオットマンの方へ移動した。
「大成功といっても過言ではありません。ですが、七瀬さんは律儀な方なので料金を支払うと言われました」
最初のコメントを投稿しよう!