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「置いてあるDVD、それに漫画や小説は恋愛ものばかりだな」
「ちょ……! 勝手に人の家のものを見ないでください!」
「暇だったんだ」
「知らないですよ」
「一見、余計なものは置いていない簡素な印象だが、部屋のインテリアはピンクで統一されていて少女趣味。それらから察するにおまえは創作のような恋愛に憧れている」
「う……!」
なんという分析能力。
さすがは優秀なコンサルタントだっただけある。
「そしてプライドも高い。自分にも他人にも完璧を求めるあまり、たとえ自分に好意を持たれたとしてもお眼鏡に適わなければ興味も持たないだろう。つまり、理想が高い」
「勝手に人を分析しないでください」
「でも当たっているだろう」
ぐうの音も出なかった。
「その皺1つないスーツ。自分は優秀で完璧だと思っていることを物語っている。隙がない」
「隙なんて他人に見せるものではありません」
「隙がないと男は手を出せないんだよ」
「別に手を出して欲しいなんて思っていないので構いません」
「本当に?」
そう言って視線を避けていた私の顔を親指と人差し指で挟んで強引に自分へと向けた。
「何す……」
「俺ならおまえが憧れているような恋愛が出来る女に変えられる」
無理矢理合わせられた視線に堪らず瞳を泳がせた。
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