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「俺がおまえの専属コンサルタントになってやる」
男は不敵に笑ったが、いやあなた住所不定無職ですから。残念ですから。
「ず、随分と自信がおありのようですが一体何を根拠に」
「根拠? 自慢じゃないが俺は恋愛経験が豊富だ。いいか? 恋愛なんてコンサルの仕事と同じで情報収集、分析、問題点を見つけて改善策を出せば上手くいくんだよ。ちなみにおまえは問題点だらけだ。相手を見つける前にまずはおまえを改善してやる。腕がなるな」
「も、問題点だらけ……」
「おまえにとっては一大プロジェクトだ。心してかかれよ」
「あなたこそ。成果が出なければ即刻解雇しますのでそのおつもりで」
こうして奇妙な関係の同居が成立し、私はこの日悪夢を見ることとなったわけである。
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