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早々にキッチンを片付けないと明日からの自炊が困難になると思い、食べ終えてから早速ダンボールを開封していると山崎さんが私を呼んだ。
「今週のミーティングを始めるぞ」
「……わかりました」
とりあえず鍋だけを取り出し、キッチンの引き出しにしまってから山崎さんの座るソファの前に立った。
「まあ座れ」
「もう山崎さんの布団は用意出来たのですからそのソファは私に返却してください。あなたがオットマン、私はソファ。それが妥当です」
「わかったよ。細かいな」
山崎さんは渋々立ち上がり、オットマンに腰を下ろした。
「じゃあ始めるぞ。状況は追い風が吹いてきていると思う」
「そうでしょうか……でも考えたら、真面目な私から好意を寄せられれば七瀬さんでなくても本気にすると思うのですが」
「だとしても、七瀬さんの口からそんなセリフが出たってところがポイントだ」
「どういう意味でしょう」
「少しも興味のない相手にそんなことは言わないだろ?」
確かにリスキーだ。
「で、では、七瀬さんは私に興味を持ってくれている。ということでしょうか」
「まだ半々ってところかな」
「は、半分も七瀬さんの心の中を私が占めている……」
「アホか。そうじゃない。可能性の話だ。他には何かなかったか?」
私は昨日の出来事を思い出す。
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