トウコさんと花

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僕は家に帰り、彼女にもらった包みを広げた。 確かに彼女の家で見たときより少し元気がなさそうに見えた。 「お水を毎日かえてあげて。たっぷりね。  大切にしてあげて、話しかけてあげてね。    トウコ」 包みの中には彼女の丸い字で育て方が書いてあるカードが一緒にはいってた。 僕の知る彼女は随分のんびりとしていて独特な雰囲気をまとっていた。 反面おおらかであるというか、大雑把というか、 少し抜けたところが彼女にはあって、そんな彼女が 花を育てていたことに僕はおどろいていた。 そんな彼女がカードを添えるという几帳面さを見せたことに僕は更に驚かされた。 随分大切にされてきたんだな、と思いつつ花をコップにさし、言われたとおりに水をたっぷりと入れる。 机の上に置くと花が随分誇らしげに見えた。
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