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ウリエルは気まずそうな顔をした。
「それが......上界で追い出されてしまって。行くところがないんです」
上界で追い出されたって何をしたんだ、こいつは。
「一体何をしたんだ?」
「実は上界で怠けすぎて。しばらくの間、下界で修行してこいと......」
「はぁ?」
怠け者の天使か。これはたまげた。
「悪いがここに住んでもらう訳には......」
「お願いします! なんでもしますから」
な、なんでも!? いや、だめだ。人(いや天使か)の弱みに漬け込むようなことはしてはならない。
「ごめん......ちょっと一緒に住むってのは色々問題があるから」
あくまで引いてもらうことにしよう。
「そこを何とか! 本当に頼みます!」
なんとウリエルは土下座をしてきた。おいおいおい、完全に俺が悪者みたいじゃないか。
するとドアの方からピンポーンという音が聞こえた。
何だろう? 配達か? まぁいい。話を中断させるいい機会だ。
「悪い、ちょっと失礼する」
俺は逃げるようにドアの方へ向かった。ドアを開けると目つきの悪そうな金髪の鼻輪をしているヤンキー風の青年が立っていた。
「ちょっと失礼するぜ」
容赦なく俺の部屋にその男は土足で上がり込んできた。
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