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「私の愛する人には指一本触れさせません」
凛とした声でそうモレクに宣言した。
かっこいい。俺は思わずそう思った。
「そうか......なら俺もちょっと本気を出させてもらうぞ!」
モレクは牛のような怪物に変身した。強大な体、鋭くつがったツノ、黒い皮膚と悍ましい姿をしていた。
「私も全力行きますよ!」
ウリエルも変身したーーと言っても翼を生やしただけだけだが。
「ウラァ!」
俺の顔面めがけてモレクは殴りかかってきた。
ウリエルは宙に浮き、モレクのパンチを止めてくれた。しかし、かなりの力だったようでウリエルは吹っ飛ばされた。俺もウリエルの巻き添えをくらい一緒に吹っ飛んだ。
「いたた.....すみません、流星様」
「気にするな。大丈夫だ」
ゆっくりとモレクが近づいてきた。これは、終わったか? 悪魔に殺されるなんて誰が想像できるだろうか。
「流星様、ちょっと身体をお借りしてもいいですか?」
「身体?」
「はい、人間の身体を私が操ることで私は上界にいるときと同じ力を引き出せます」
よく分からないがやってもらおう。
「分かった。俺の身体、好きなだけ使ってくれ」
「ありがとうございます!」
ウリエルの身体は光り出し、ゆっくりと俺の身体に侵入していった。
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