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先程までの騒がしい雰囲気とは撃って変わり、
浴室には静寂が広がる。
時折、締めの甘い蛇口から水滴が
悲しみの音を立てる。
一人残された私は
少ないお湯で全身を温めるべく、
湯船で横になるような体勢を取った。
メタボ予備軍、いや、正規軍の体脂肪に押され
否応なしに浴槽の水位が上がる。
「ん?」
その時、私は気づいた。
減ったお湯の量、それは私の怠惰な食生活の負債ではない。
子供らの確かな成長の証であったのだと。
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