第10ピリオド

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シュートを決めても時間を残すと、相手に再逆転のチャンスを与えてしまう。 15秒を使い切った上でシュートを決めるしかない。 ここは、大黒柱のシンヤで行く。 間違いなくチームの総意だった。 スローイン。 相手は必死でディフェンスをするが、なんとかかいくぐったポイントガードから、センターのシンヤにボールが入った。 残り5秒。 相手も、シンヤで来るのは読んでいる。 トリプルチームでシンヤを囲む。 残り3秒。 スタンドのリサは自然と立ち上がり叫んでいた。 「タカシっ!!!」 スタンドからの声が聞こえた瞬間、タカシも自分の置かれている状況を把握する。 “俺、今フリーだ” タカシについていたディフェンスはシンヤに付いている。 タカシは自然に声が出た。 「くれっ!!!」 3人のディフエンスに囲まれて出しどころを失っていたシンヤと目が合った瞬間、ボールが飛んできた。 ボールを受けると、そのままジャンプしてシュート… タカシの手からボールが離れた瞬間。 ブザーが鳴った。 静寂の中、放物線を描いたボールがゴールに吸い込まれる。 スタンドのリサにも、ネットを揺らす音が聞こえた。 審判がこのあと下す判定に、会場の全員の注目が集まる。 たっぷり余韻を持たせた審判は、二本を示した指を上から下に大きく振り下ろす。 カウント!     
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