第1ピリオド

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第1ピリオド

「それじゃ、私、1限目から講義あるから、先に学校行くね。 朝ごはんは目玉焼きとサラダ作ってるから、あとはパンをトーストして食べて。 あ、あと洗濯だけお願い!絶対だよ! 干す時は、シワはちゃんと伸ばしてから干してといてね!」 玄関でスニーカーを履きながら、リサは、部屋の奥でまだベッドの中にいるタカシに向かって朝の伝達事項を大声で伝えると、タカシの反応を確認することなく、玄関を出て行った。 タカシが少し前から起きて寝たふりをしていたからいいようなものの、ほんとに寝てたら今の“指示”はちゃんと伝わっただろうか。 それとも、タカシは寝たふりしてて本当は起きてるって確信があったのか。 まあリサの洞察力なら、起きてるのはバレていたのかもしれない。 “めんどくせえな” リサが出かけてからも、タカシはしばらくベッドの中でスマホを弄っていたが、自分の講義も2限目からあることを思い出し、慌てて起き上がった。 リビングのテーブルの上には、リサがタカシのために作った朝食が、きちんとラップした状態で置かれていた。 もう冷めてしまった目玉焼きを、トーストした食パンにのせ、マヨネーズとケチャップをかけて、牛乳と一緒に口にねじ込む。     
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