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テーブルに置かれたサラダは、タカシの嫌いなセロリが入っていた。
タカシがセロリが食べられないと知ってるはずなのに、リサはワザと入れている。
リサがセロリ好きなのだから仕方ない。
“同棲生活は妥協の連続だ”
そんなことを考えながら、タカシはサラダを冷蔵庫にしまう。
食事を済ませ、歯磨きをしていると、リサから洗濯しておくよう言われていたことを思い出した。
洗濯機を覗くと、洗うべき衣類と洗剤は既にセットしてあった。
後はタカシが今まで寝巻き代わりに着ていたTシャツとハーフパンツを投入し、蓋をしてスイッチを押せばいいだけだ。
「ありゃ…」
スイッチを押したあと、何となくポケットの中のスマホで時間を確認すると、ベッドでウダウダし過ぎたせいで、2限目に出席するには、もうあまり時間がないことに気づく。
“彼女の言いつけを守って洗濯してたから、授業出られませんでした…”
そんな言い訳が頭をよぎるが、
“流石にそれは冴えんなぁ”
とすぐ苦笑いし、洗濯機のスイッチを一度切る。
ピッピッと設定を変更し、今度は時短モードで再スタートさせた。
これで20分近くは時間短縮になるはずだ。
『お急ぎ』モードで洗濯することを何故かリサは極端に嫌うが、バレなきゃいいだろう。
でも、なんで時々バレるんだろう?
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