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アタシが高3の時、志望大学のバスケ部はどんな感じかな?って秋のリーグ戦見に行ったんです。その時のカシさんはシューターで、すごい活躍してて…。
で、大学入ってみたら、プレー面はアレっ?て感じになっちゃっててびっくりしましたけどね。あの凄いシューターはどこへっ?って感じで」
リサはノロけた恥ずかしさからか、最後はおどけて笑ってみせた。
「ふうん、そう…なんだ…」
ハルカは、何故か少し寂しそうに呟いた。
ハルカの予想外の低いテンションに、リサは思わずハルカの顔を覗き込む。
ハルカは困ったような、それでいて何か悲しさを堪えているような、複雑な顔をして、俯いていた。
「リサ、ごめん。わたし先帰るね。鍵お願い」
俯いている姿を見て見られたのが恥ずかしかったのか、ハルカは慌てて立ち上がり、リサの顔を見ることなく更衣室の出口に向かった。
「ルカさん?」
「な、何?」
「…いや、なんでもないです…」
呼びかけても向こうを向いたまま振り向かないハルカに、リサは何も聞けなかった。
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