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タカシは生き残りを賭け、更なる“武器”を手にするため、合宿後の自主トレで仲間にある提案をした。
「俺、スリーポイントシュートの練習したい」
それを聞いたハルカが、慌ててたしなめる。
「今からスリーポイントシュートの練習しても、今まで頑張って固めたシュートフォームのバランス崩すだけだよ」
それにカチンときたタカシが言い返した。
「そんなことやってみなきゃわかんねーだろ」
「絶対やめた方がいいよ!無理して結局両方ダメになったら今までの練習が無駄になるよ!」
「ハルカにそんなこと言われる筋合いねえよ!
だいたいなんだよ、お前。頼んでもないのに勝手に来てさぁ」
そこまで言った時だった。
“バチッ!”
リサの平手打ちがタカシの頬に当たる。
リサも、自分の思わぬ行動に慌て、動揺する。
「あ、ごめ…
でも、タカシ、それは言っちゃダメ。ダメだよ。
ルカさんは…ルカさんは…」
不貞腐れたタカシが聞き返す。
「ハルカが、なんだよ…?」
リサが横に立つハルカの顔を見て、答えを言い淀んだ瞬間、ハルカは「ごめん…帰る」とだけ告げ、荷物を掴むととそのまま体育館を出て行った。
気まずい空気が残された3人を包む。
沈黙に耐え切れなくなったシンヤが、話し始めた。
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