第10ピリオド

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大学近くのバスケ部御用達のファミレスで食事をし、タカシの奢りで満腹になって店を出ると、シンヤが急に何かを思い出したかのように、リサに声をかけた。 「なあ、リサ、ちょっとお願いがあるんだけど」 「なんすか?」 「いやあ、今度ウチの母親の誕生日で、プレゼント買いたいんだけど、女の視点で適当に見繕ってくれないか」 「いいっすけど…これからっすか?」 「いいじゃん。な?タカシ、リサ借りるぞ。 あ、タカシ、もう暗いからルカをちゃんとアパートまで送ってやれよ」 そして、「じゃあな」と、強引にリサを連れて何処かに行ってしまった。 「勝手なやつだなあ」 そう言ってタカシがハルカを見ると、ハルカは俯いてしまった。 「帰ろっか」 ハルカの仕草にドキッとしたタカシが、歩こうと促す。 2人は並んで夜の歩道を歩きはじめた。 「今まで自主トレ手伝ってくれてありがとな」 「うん…」 「そういえば、あの時、食ってかかって悪かったな」 「うん…」 沈黙が怖いタカシは一方的に喋り続けるが、ハルカは何を聞いても「うん」しか言わない。 やがて話題も尽き、長い沈黙が訪れる。 黙って歩き続ける二人。 耐えられなくなったのはハルカの方が先だった。 「ごめん。ありがと。ここからだったら一人で大丈夫だから。リサが待ってるから早く帰って」     
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