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第3ピリオド
「リサ、昨日お前…」
「ん…?なにー?」
「…いや…、なんでもない」
ある日、夕食の後、フローリングで寝転んでテレビを見ているリサ。
そのリサに質問しようとしたタカシは、テレビから顔を離さず棒読みで返事をする態度を見て、質問する気を失った。
本当は、バスケ部の友人で2人の関係を知るシンヤから聞いたある件の真相を確かめたかったのだが。
「リサのやつ、昨日お前の部屋にいたか?」
部活が終わり、タカシが着替えていると、シンヤが小声で話しかけてきた。
「いや、昨夜は久しぶりに自分の部屋に帰ってたよ。
いつもは空気の入れ替えで帰るだけだから夜遅くに帰ってるけど、昨日は親からの宅配便が届くから夕方には帰ってたかな。
朝はいつもみたいに大学行く前にウチに戻ってきだけど。どうかした?」
「リサのアパートって、前と一緒で、小学校のグラウンドの前の、一階がコインランドリーのアパートたよな?で、部屋は二階の、向かって一番右の部屋だろ?」
「そうだけど?」
タカシが答えると、シンヤはタカシの腕を引っ張って部室の外に連れ出した。
廊下の暗がりで2人きりなったのを確認すると、シンヤは小声で、話し始めた。
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