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翌日、首筋という不自然な場所に絆創膏を貼って、私は登校した。
手には、スクールバッグの他に、紙袋。
昨日、知花くんに借りたブレザーの上着が入っている。
「おはよう、会長」
「!!」
校門に入る直前、男子の声と共にポンと肩を叩かれ、驚いて声にならずに叫んだ。
「え、なに?ごめん、驚かせた?」
「あ、河北くん……」
顔を見て、ホッと胸を撫で下ろす。
よかった。
昨日の今日で、朝から知花くんの顔は見れない。
どうせ、ブレザーを返しに行かなきゃいけないんだけど……。
「会長、昨日あれからどれくらい残ってた?生徒会室で」
「あ、えーと、……すぐ帰ったよ、うん」
「それならいいんだけど。あんまり仕事多いなら、俺にも回してよ」
「うん、ありがとう」
あれから、仕事は少しもしていなかったから、嘘をつくのに罪悪感が……。
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