平成28年5月

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ

平成28年5月

梅雨に入る一か月前のことだ。 お兄ちゃんと出会ったのは。 私がお兄ちゃんと呼んでいる人は、本当のお兄ちゃんではない。 元々は塾の先生だ。 ある日の事、その日は塾は本当は休みだった。 しかし、担当の先生が授業をいれていたため、塾へ行った。 しかし、担当の先生は来ることがなく、お兄ちゃんに言った。 すると、電話をしてくれた。 兄「もしもし、俺だ。今、明莉が来てるのだが今日、授業入ってただろ。」 担当「え!そうでしたっけ?」 兄「今、どこだ?」 担当「東京です。」 兄「まじかよ。今日は俺がやっておく。明莉が怒ってるから、後で謝れよ。」 担当「わかりました。すみません。」 兄「じゃ、今日はやっておくから。」 担当「はい。よろしくお願いします。」 兄「じゃ、またな。」 そう言ってお兄ちゃんは電話をきる。 兄「今日は、俺が授業してやるから安心しろ。」 私「うん!ありがとう!」 授業は80分に渡った。 iPadを使って説明をしてくれた。 でも、その時のお兄ちゃんは、すごく真剣だけど、あたりまえだけど。 だけど、怖かった。 もう、この人には教わりたくないって、思ってしまった。 だけど、それからというものの、ほぼ毎回のように授業を見に来ていた。 最初は何で?と疑問を感じていたものの、月日が流れるにつれ、それがあたりまえのようになっていた。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!