第1章

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そんなある日、のんびりと風呂に浸かっていたら配下の魔物たちに見つかり、俺たちも風呂に入りたいと要求される。 それでダンジョンに侵入してくる冒険者を駆逐する魔物たちの成績上位者十数名に、1ヵ月に1回、風呂を馳走してやっているって訳だ。 配下の魔物たちに風呂は結構好評で、上位魔物である悪魔やドラゴンに混じり、ゴブリンやゾンビがチラホラ風呂に浸かっているのを見れば分かると思う。 下位の魔物たちも風呂に入りたくて必死に頑張り、自分たちより上位の魔物たちより成績が上になる物が多数いて、冒険者たちの間では攻略できないダンジョンとして有名らしい。 ただね、喜ばしい事ばかりでは無いんだよ、諸刃の剣なんだよな。 「あーー気持ちいいなぁーー。 身体が清められる」 風呂桶の中で気持ち良さそうにお湯に浸かっていたミノタウロスが、独り言を呟いた。 「ば! 馬鹿野郎ーー! それは禁句だーー!」 あ、あぁーー、ミノタウロスの身体がどんどん浄化され消えて行くぅーー。 これが諸刃の剣って言う理由。 俺たち魔王に仕えている物たちが風呂の中で、清められるとか極楽とかを口にすれば浄化されてしまうのだ。 ハァーー、溜め息しか出ないよ。
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