ニヒルな料理人

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* 彼に私の恋愛遍歴を語る上で、避けては通れない事柄があった。 「私の左側半分……肩から肋骨の辺りにかけて、火傷の痕があるんです。それを前の彼氏に気味悪がられて以来、肌をさらけ出せなくなってしまったんです」 私の言葉に、彼はじっと耳を傾けながら黙って聞いてくれていた。 私が彼に言いたいことを全て話し終えると、そこでようやく彼が口を開いた。 「それで?あんたは、俺にもそれを見せたくない訳?」 真っ直ぐに見つめ返された。彼の視線は、私の左側の上肢部分に注がれていた。 「俺は男として、普通に見たいけどね。あんたの身体」
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