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「キララちゃん!おはよう!」
キララが走り去る車に向かって手を降って見送いると、近くにキララと同じく親から送ってもらっていたキララの友達が立っていた。
「美樹ちん、おは~。」
キララが美樹ちんと呼んだ女の子はキララの同級生で名前は白井美樹。
キララの一番の親友である。
その後、キララと美樹は仲良く手を繋いで学校へと入って行ったのだった。
キララは教室に入り、自分の机の横にランドセルを掛けると席に座り、やっと人心地をついていると....
キララに向かって男子の一人が慌ただしく駆け寄って来た。
「おいキラ!聞いてくれよ!昨日死んだ亀が生きてたんだよ!だれも信じてくれねぇんだよ!」
この男子の名前は白井智樹(ともき)で、美樹とは二卵性の双子の兄である。
細身の美樹とは違い、智樹は身体は小学校四年生の割にはガッチリしており、やや突拍子も無い性格ながらもユーモアがあり、クラスでは人気者の部類に入る。
そしてキララが恋してる男子なのだが、双子の親友の手前もあり、一応そんな素振りは見せていない。
余談だが、キララが兄の智樹を好きなのは美樹にはバレバレである。
「いや~死んでたのが智にぃの勘違いで元気になったんじゃないかな?」
「やっぱキラもそう言うかぁ。まぁ普通そう言うよなぁ。」
智樹はキララの事をキラと呼ぶ。
そもそもキララは漢字で綺羅なのであながち間違ってはいない。
そしてキララは智樹を智にぃと呼ぶ。
数年前は双子とキララの三人で良く遊んでいたのだが、智樹の交遊関係が男子同士中心となってからは教室で会話をする程度となっている。
「でも、私は智にぃを信じたいなぁ。前月ワンダが元気なかったけど一晩で元気になったんだよ。」
「だよな!だよな!あり得るよな!さすがキラ、話が解るぅ!!」
そう言いながら智樹はキララを正面から思い切りバグをした。
これは智樹の癖で、喜ぶと男女構わず抱き付くのだ。
「兄貴~。キララちゃんが困っているから止めなよ。
っていういうか、いい加減その癖を止めないと警察に捕まるからね。」
美樹が双子の兄の悪癖をいさめる。
キララはと言うと顔が真っ赤になりなりながら硬直フリーズしていた。
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