第1話【奇跡のちから】

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本日も平凡な学校の日常が終わり下校の時間となった。 いつもの様にキララは美樹と帰ろうとすると、後ろに智樹が付いていた。 「兄貴どしたの?」 「いやぁ、信吾は掃除当番だし、ういちは塾だから一人ぼっちなんだよね。」 いつも智樹は男子の友達である佐々木信吾と徳永宇一郎(とくなが ういちろう)と遊んでる事が多い。 キララが美樹の家に遊びに行くと、信吾とういちが智樹目当てで遊びに来ていて、キララも信吾とういちは仲好しの部類に入る。 遠足や他の行事でのグループ分けの時は、この五人が集まる事も多い。 「だからさ!今日はキラんちでモンハンやらね?」 「兄貴~。普通さぁ女の子の家に来てゲームとかおかしくない?信吾君の家に行けばいいじゃん。それに私はゲーム得意じゃないし?」 「いやいや!私は別に大丈夫だよ。今日はママも出掛けてるし、パパも夜まで帰らないし。」 キララの母親は週三回程、塾の講師をしており。 キララが一人で留守番の時は友達を呼んで遊ぶのを推奨していた。 「だろ?それにレベル一番高いのってキラなんだよね。」 本来キララはゲームに興味がなかったのだが、智樹が執拗に誘うものだから一応遊んでみたタイプだ。 そして智樹とゲームを遊んでいると智樹がものすごく優しくなり、それがキララには凄く嬉しかった。 「まぁいいけどね。私はワンダちゃんと遊んでるから良いもん。」 キララの飼い犬ワンダは、キララの友達にはとてもフレンドリーなのだ。 「ただいま!!」 キララは自宅の前で扉を開ける前に扉に向かって声を掛けた。 扉の向こうでは扉をカリカリと引っ掻く音が聞こえて来た。 飼い犬のワンダがキララを歓迎しているのだ。 「おお!相変わらす元気なワンコだ。」 智樹が感想をもらした。 キララが玄関の鍵を解錠し、扉を開けるとワンダが飛び出してきて.... 「お帰りなさい!!!」と喋った。
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