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「一つ判ったぜ。キララのお母さんにはワンダの声が聞こえて無ぇよ。」
智樹が居間にいるワンダと母親を覗いてみる。
キララと美樹も智樹に習って居間を覗く。
「ママ!お腹空いた!」
「あらワンダちゃん、今日も元気にしてた?」
確かに会話が噛み合っていなかった。
「信じたくないんだが、ワンダが喋ったんじゃなくて、俺達がワンダの声が聞こえてるんじゃないのか?」
「いや~兄貴。それはさすがに無いんじゃないかな?
学校から下校中に犬や猫と出会ったけど喋ってなかったよ?」
試しに窓から隣近所の飼い犬に挨拶してみても、激しく吠えられただけだった。
そして、母親に遊んで貰えなかったワンダは三人の居るキララの部屋にやって来た。
「疲れたから寝る~。」
と言いながらワンダはキララのベットにゴロンと寝転んだ。
「....何かワンダと会話出来るって意味無ぇな。」
智樹の感想にキララと美樹も同意する。
「とりあえずキララちゃん、私たちそろそろ帰るね?」
「そうだな、俺腹減ったよ。」
北海道の四月はまだまだ寒く、日が落ちると氷点下の気温になる場合もあり、夕方のうちに帰るべきなのだ。
「うん、今日はありがとね!!」
そう言ってキララは双子を玄関まで見送る。
すると母親もやって来て、双子にお土産のお菓子を持たせた。
「また遊びに来てね。」
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