タイルノキモチ

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それからすぐの事でした。 大和さんにはまだお嫁さんはいません。 お父さんとお母さんと一緒に暮らし、建築士のお仕事をされています。 その大和さんからの提案でした。 リフォーム、今はもっとかっこいい呼び名が……確かリノベーションと言いましたか、それをしようとご提案されたのです。 もちろん私も最初は賛成しました。 お父さんにとってもお母さんにとっても住みやすくなるのなら、それが一番なのですから。 でも、それは僕との永遠の別れを意味するのだと気付くのには少しだけ時間がかかりました。 だって! まさか、あれほど愛してくださった僕の居るこのお風呂場を壊してしまうなんて決断を、こんなにあっさりと決めてしまうだなんて……。
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