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薄暗い部屋の真ん中に、クイーンサイズのベッドがあった。 黒い布団カバーとグレーのシーツの間に、半裸の男が寝ていた。 ボリュームのあるくせっ毛に、筋肉のついた肩と腕。美しい身体だった。 近づいて、覗き込んだ。そうして、見ていたくなる男だった。 「……あ?」 うつ伏せで寝ていたはずの男が突然、顔を上げたので、びっくりして飛びのいた。 けれど、見えるわけない、と思い直して、そろそろとまた近寄った。 だれにも、本人にも気付かれないなら、近くで、いつまでも、見たっていいはずなのだ。
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