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すこし、眠ったような気がする。
気がついたら、ダイニングテーブルの椅子に座っていた。
幽霊の暮らしってよくわからない。
だいたい、自分がどこにいるのかもよくわからない。
ごとん、と目の前にオレンジのマグカップが置かれて、顔を上げると寝起きの彼がいた。
おおーっと思う。なんという絶景だ。
そうそう、こういう時、韓流ドラマだと、女性でも男性でも、おおーって言うよね。
あるいは、テバ! とか。
コーヒーの匂いがただよった。
韓国って、コーヒーの消費量が多い国なのだっけ。
幽霊でも匂いはわかるのか。
それなら、大好きなこの人の匂いを、お腹いっぱいすいたい。それをぜひ冥土の土産というものにしたいなあ。
「それ、飲んだらあの世へ行け」
「……飲めるの?」
「試せば?」
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