日常と非日常

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日常と非日常

……… あー…俺は…またあの夢を見てるのか… この続きはどうなるんだっけ… ーーークスクス…クスクス ? 花が咲いたのか? また…俺を笑ってるのか… ーーーこれで おわりーーー クスクス…クスクス…… 終わり?なにが……? なにが… 「しゅーへーー!!いつまで寝てるの!卒業式に遅刻するつもりかい!?」 ッ!!?? ドカーン!と部屋のドアを壊す勢いで雷神の如く現れたのは、しゅーへーと呼ばれた少年の祖母だ。 そして彼女は寝ている孫の布団をむんずと掴むと、ガバッと一瞬で引っぺがす。 「40秒で用意しな!!」 どこかで聞いたようなセリフを恥ずかしげもなく使うのが、彼女のコミュニケーションの取り方だ。 「さみぃ…!」 3月と言っても、北国の朝は氷点下になる日もある。そして今朝の予想最低気温はマイナス2度だ。必然的に部屋の中も冷え切っている。 「んんぁあー!!もう、ばぁーちゃんっ!卒業式行く前に凍死する!!」 しかしこれは、しゅーへーと呼ばれた少年の自業自得である。 自分が卒業する訳ではないが、在校生として寝坊で卒業式に遅刻なんて事態にならずに済んでむしろ感謝しなくてはいけない。
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