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そんな事をぼーっと考えていたが、ハッと我にかえる。
(あ!やっべ。午前で終わるから弁当いらないって言い忘れてた)
卒業式は昼過ぎには終わる。昼飯はクラスの奴らと食べにいく約束をしていた。
「周ちゃん今日は卒業式だから、いつもより豪華なおかずにしといたよ!」
「いや、ばあちゃん、別に俺が卒業する訳じゃねぇし…。」
ニコニコと満面の笑みと共に、有無を言わせず差し出される縦長の大きな弁当包み。
豪華なおかずと一緒に、並々ならぬ愛情も入っているんだろう…
(い、いらない、なんて言えねぇ)
ここは男らしく、腹をくくって受け取ることにする。
両手を差し出し深々と頭を下げた。
「豪華な弁当!あざっす!」
すると差し出した手をパシッと叩かれた。
「っ痛…」
「手で持ってくつもりかい?リュックに入れてあげるからさっさと後ろむきな!」
あー、だから包みが縦長なのかー。そっかそっかー。
…タッパー4つ分くらいありそうだけど、食いきれるかな、俺。
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