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「まだ写真送ってないからテレビ局の人ではないだろうな」
「うーん・・・」
ハムテルと二階堂は記憶の赤い糸を手繰り寄せる。
「そうだ、おばあさんに電話してみよう」
「もしもし、おばあさん、誰が来てるの?」
「お客さんと言ったでしょう?」
「お客さん???急患?」
「みーちゃんの友人の名前忘れた・・・とにかく2日お預かりの空たん、茶寅男の子」
「二階堂、肉は増やさなくていい」
「草食系なのか?」
「一応肉食系だが・・・」
不審顔の二階堂は肉屋で買い物をすました。
「ハムテルわかったのか、お客さん?」
「ああ、確か、一か月前に予約の入ってた、空たん茶寅男の子だ」
「そう言えば、カレンダーの隅に『とら』と書いてあったような・・・」
「おばあさん、晴れ着きてるのにちゃんとあずかってくれただろうか・・・」
「教授もいるし、大丈夫だよ・・・なぁ?」
「急ぐぞ、二階堂、ちょび」
いつも安全運転のハムテルがエンジンをふかす。
「ただいまぁ」
大きなにもつを下げて二人は勝手口のドアを開けた。
「おばあさん、空たんは?」
「とりあえず、冷蔵庫に買った物を入れよう」
荷物を片づけたハムテルと二階堂は声のする教授のいる部屋に急いだ。
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